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シネマ歌舞伎 ぢいさんばあさん
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2025年の日本映画。2010年2月歌舞伎座公演のシネマ歌舞伎化作品。森鴎外の短編小説を宇野信夫が歌舞伎舞台化して演出したもの。美濃部伊織と妻るんは評判のおしどり夫婦で子供が生まれたばかりだった。伊織は、喧嘩で怪我をした義弟の久右衛門の代わりに1年間単身京都勤めすることになり、まだつぼみの庭の桜に1年後の再会を誓って出発する。しかし京で気に入った刀を同僚の下嶋に足りない30両を借り手に入れ、気に聞いた仲間たちとの宴に興じていた時、下嶋が乱入し酔った勢いで暴言を吐き暴れたためかっとなった伊織が斬ってしまう。そのため伊織は越前にお預けの身となり、るんは黒田家の奥女中として奉公していた。37年がたち、伊織が許され江戸に戻ることになる。伊織の家は責任を感じた久右衛門やその跡を継いだ久弥が大切に守っていた。伊織の子どもは京に出た3年後に天然痘で亡くなっていた。懐かしい家、咲き誇る庭の桜のもと、伊織とるんが再会、るんは黒田家より二人扶持までもらえていた。二人で新たな人生を歩むことを決め、こどもと下嶋の墓参りをしようと話すのだった。 37年離れ離れというのは現代においてもかなりの年月だけど、江戸時代ならどちらかが死んでいてもおかしくない年齢になっていた筈。それでもお互いに相手を想う気持ちが続いていたなんて。それにしても年取った伊織を演じた片岡仁左衛門の可愛いこと、ただ人のいいだけだったように見えた若いころとは打って変わっての好々爺ぶり、しかもるんから肌身離さず持っていろと言われたお守り袋をいまだに持っているなんて。若いころのるんを演じた坂東玉三郎は相変わらずの妖艶ぶりだったけど年取ったるんの方はどんな化粧だったのだろう、奥女中勤めをしっかりこなしてきた威厳と伊織に会えたうれしさがにじみ出ていました。とても分かりやすくて初心者でも楽しめそうな歌舞伎でした。
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