徳島県小松島市の生まれ。本名・大杉孝。明治大学在学中の1973年、雑誌『新劇』に掲載された転形劇場の主宰者・太田省吾の記事に感銘を受け、大学を中退して太田の劇団員募集広告に応募し、研修生となる。同年6月、別役実・作『門』で舞台俳優としてデビュー。以後、88年の劇団解散まで在籍する。映画には高橋伴明監督の「緊縛いけにえ」80で初出演。以降は多数のピンク映画に出演する一方で、81年の井筒和幸監督「ガキ帝国」からは一般映画にも出演する。83年、滝田洋二郎監督「連続暴姦」でズームアップ映画祭の主演男優賞を受賞。周防正行監督「変態家族・兄貴の嫁さん」84では、笠智衆を彷彿とさせる老け役に33歳で挑み注目される。88年の片岡修二監督「地下鉄連続レイプ・愛人狩り」を最後にピンク映画から離れ、舞台を中心に活躍するが、89年の周防正行監督「ファンシイダンス」で映像の世界へ復帰。以後はオリジナルビデオを中心に多数の作品に出演した。93年、北野武監督「ソナチネ」のオーディションに合格し、やくざの幹部を飄々とした味わいで演じて、一躍注目を集める存在となった。SABU監督「ポストマン・ブルース」97で報知映画賞とおおさか映画祭の助演男優賞を、北野監督「HANA-BI」98と崔洋一監督「犬、走る/DOG RACE」98ほかで、キネマ旬報賞、毎日映画コンクール、ブルーリボン賞、ヨコハマ映画祭など多数の助演男優賞を受賞。ここから活動の場はテレビドラマにも広がり、圧倒的な数量の作品をこなしつつ、演じる役柄も多岐に渡る。廣木隆一監督「不貞の季節」00、園子温監督「エクステ」06、大森美香監督「ネコナデ」08は、貴重な一般映画での主演作。ピーク時にはOVを含めて年間20本以上の作品に出た時期もあり、その旺盛な仕事ぶりから“300の顔を持つ男”とも呼ばれた。近年は出演本数こそ落ち着いたが、あらゆる映像メディアに欠かせない演技派俳優として活躍を続ける。テレビドラマの出演作に、テレビ朝日『プリズンホテル』99、『眠れぬ夜を抱いて』02、フジテレビ『太陽は沈まない』00、『僕の生きる道』03、NHK『義経』05、『ゲゲゲの女房』10、日本テレビ『神はサイコロを振らない』06、TBS『生まれる。』11、テレビ東京『IS/男でも女でもない性』11など多数。舞台、CM、バラエティ番組出演、ドキュメンタリー番組などのナレーションと幅広く活躍するほか、サッカーに対する造詣の深さから、サッカー関連の番組にゲストとして招かれることも多い。2018年2月21日午前3時53分、急性心不全により死去。享年66歳。