東京都の生まれ。父は俳優で舞踏家の麿赤兒、2歳上の兄は映画監督の大森立嗣。1993年、オムニバス映画「サザンウィンズ」の中の一篇で麿が主演した鴻上尚史監督「トウキョウゲーム」に、工事現場の作業員役で出演して俳優デビュー。その後はバンド活動を中心にしていたが、90年代後半からいくつかの映画に端役で出演するようになる。2001年、久石譲監督「カルテット」でヴィオラ演奏者役を演じて準主演。三池崇史監督「殺し屋1」01では気弱な殺し屋のイチ役で主演をつとめ、一躍脚光を浴びる。03年には「新・刑事まつり/一発大逆転」の一篇「リハビリ刑事」で監督にも挑戦。同年の廣木隆一監督「ヴァイブレータ」では寺島しのぶの相手役のトラック運転手に扮し、荒戸源次郎監督「赤目四十八瀧心中未遂」、田口トモロヲ監督「アイデン&ティティ」などと併せてキネマ旬報賞、ヨコハマ映画祭の助演男優賞を獲得する高い評価を得た。以後もインディペンデント系の作品を中心に数多くの映画で個性を発揮し、「デーモンラヴァー」02ではフランスのオリヴィエ・アサイヤス監督、「呉清源・極みの棋譜」06では中国の田壮壮監督に起用されるなど海外作品にも進出。テレビドラマでも、フジテレビ『Dr.コトー診療所』03・06、『僕と彼女と彼女の生きる道』04、TBS『恋の時間』05、NHK『クライマーズ・ハイ』05などで活躍していたが、07年のNHK『ハゲタカ』で、やり手のファンドマネージャー・鷲津政彦役で主演に抜擢されたことから、より大きな注目を集めることとなる。09年の同作の映画版で日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞。10年のNHK大河ドラマ『龍馬伝』では坂本龍馬の親友・武市半平太を演じ、抜群の知名度を獲得する。兄・立嗣の監督作「まほろ駅前多田便利軒」11では共演シーンはないが父とともに出演し、親子3人のコラボレーションを果たした。