千葉県千葉市の生まれ。本名・並木孝夫。千葉敬愛高校を卒業後、マスコミを志望して千代田電子学校へ入学するが1年で中退。代わって俳優を志し、文学座付属演劇研究所へ第18期研修生として入所する。在籍中に舞台『カッコーの巣の上で』で初主演。当初の芸名は“並木史朗”で、83年にはNHK連続テレビ小説『おしん』でおしんの夫・竜造の24歳から50歳までを演じ、お茶の間の注目を集めた。その後、84年のテレビ東京『新・大江戸捜査網』の主役に抜擢されるなど、80年代は時代劇や2時間サスペンスなどのテレビドラマを中心に、主演・準主演で多く活躍していたが、90年代以降は映画・ドラマ・舞台を問わず名バイプレイヤーとして、作品に着実な成果を残すいぶし銀の存在となっていく。95年、芸名を“並樹史朗”に改め、神山征二郎監督「宮沢賢治・その愛」96、井筒和幸監督「のど自慢」99、金子修介監督「クロスファイア」00などに出演。人気脚本家・三谷幸喜の監督デビュー作「ラヂオの時間」97では、得意の美声を活かして生真面目なアナウンサー役を演じ、ドタバタ劇の中のスパイスとして物語を盛り上げた。平凡なサラリーマンなどの小市民から政治家、官僚などのエリート、冷徹な悪役など、幅広い役柄をいずれも適役と唸らせる演技力と存在感を有し、順調にキャリアを重ねている。テレビドラマはほかに、フジテレビ『モナリザの微笑』00、『空から降る一億の星』02、NHK『龍馬伝』10、『隠密八百八町』11など。