東京都練馬区の生まれ。1985年、淑徳高校卒業後に仲代達矢主宰の“無名塾”に入り、『どん底』で初舞台を踏む。87年、NHK連続テレビ小説『はっさい先生』のヒロイン・早乙女翠役に抜擢。大阪の旧制中学校に赴任してきた女性教師を生き生きと演じ、注目を浴びる。翌88年も、フジテレビ『飢餓海峡』などのドラマで強い印象を残し、エランドール賞新人賞に輝いた。映画は、91年の和泉聖治監督「フィレンツェの風に抱かれて」で初主演したのち、沢田幸弘監督「仔鹿物語」91、澤井信一郎監督「福沢諭吉」91と相次ぎ出演。さらに女剣士を熱演した井上昭監督「子連れ狼・その小さき手に」93、忘れ難い戦争の記憶をピアノに封印した音楽教師の若き日の姿を好演した神山征二郎監督「月光の夏」93を経て、99年の原田眞人監督「金融腐蝕列島・呪縛」では、腐敗した大手銀行に立ち向かう正義感あふれるタフな女性キャスターを颯爽と快演して新境地を開き、日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞する。その後も、師匠の仲代と父娘役で共演した月野木隆監督「白い犬とワルツを」02、映画界の衰退とともに仕事を失うスター俳優の妻をはかなげに妙演した中田秀夫監督「ラストシーン」02、複雑な過去をもつチンギス・ハーンの母親を貫禄たっぷりに演じた澤井監督「蒼き狼・地果て海尽きるまで」07、人工授精によって天才少女を生み出す母親を怪演した三池崇史監督「神様のパズル」08などコンスタントに出演していく。テレビドラマは、NHK『春日局』89、『信長』92、『篤姫』08、『リミット・刑事の現場2』09、TBS『HOTEL』92、フジテレビ『夏子の酒』94、『白い巨塔』『夜桜お染』03、テレビ朝日『けものみち』06、『科捜研の女』08~など数々の作品に出演。とりわけ、坂東流の日舞の名取でもある素養を活かした和装での女っぷりには定評があり、NHK時代劇『柳橋慕情』00ではギャラクシー賞個人賞に輝いている。舞台での活躍も目覚ましく、長塚京三との二人芝居『オレアナ』94が評判を呼んだほか、98年には『テレーズ・ラカン』で紀伊國屋演劇賞個人賞を受賞。『LOVE LETTERS』などの朗読劇や、2001年の芸術祭優秀賞に輝いた『幸福な部屋』などのラジオドラマのほか、日本でも人気を博した米国ドラマ『アリーmyラブ』などでは声優としても活躍している。