バリー・ウェストンは母親に甘やかされて育ったので意気地無しの弱虫だった。そのバリーが欧州大戦に出征しなければならぬことになって、砲煙弾雨のまっ只中に塹壕で胴慄いしていた。ところが若し戦わなければ銃殺の刑に処すと上官に脅かされたので、怖々敵に向けた彼の銃口の前に偶然敵兵が来ていた為、バリーは独逸兵22名を生捕った。平和克復するやバリーは胸に勲章を輝かして帰郷すると人々は大いに歓迎した。しかしバリーの恋人メアリーに惚れている町一番の力自慢ガードナーはバリーが臆病者であることをよく知っているので、公然とバリーに侮辱を与えた。バリーは臆病な自分自身に愛想が尽きるとも思った。その為メアリーはバリーを愛していながらも臆病者と結婚するのは嫌だと言った。バリーは母親に何故自分をこんな臆病者に育て上げたかと恨んだがそれは今更何の役にも立たなかった。彼は遂に臆病心打ち勝つ仕事を始めた。先ず黒猫の恐怖を征服し、それから高い所に立つ事、橋を渡る時の恐れなどを征服し漸く自分にも自信が出来た。その折しもガードナーは夫れとは知らずにバリーを又もや侮辱した。バリーの血は沸き立ち奮然としてガードナーに応戦した。かくて物凄い肉弾戦の後バリーは遂に強敵を倒してしまった。メアリーはバリーの胸に喜んで抱かれて、オー・マイ・ヒーローと囁いた。