カナダ・トロントで結成されたメタル・バンド、アンヴィルは、1982年にアルバム『メタル・オン・メタル』をリリースし、メタリカ、スレイヤー、アンスラックスといった現在活躍している人気バンドに多大な影響を与えた。ミュージシャンやファンからは、“パワーメタルの父”、“スラッシュ・メタルのゴッドファーザー”と認知されている彼らだが、スターダムにのし上がることはなかった。1973年、前進となるバンド、リップスを結成したヴォーカル&ギターのスティーヴ・“リップス”・クドローとドラムのロブ・ライナーは、現在は給食の配達や建設作業員をしながらバンド活動を続けている。彼らはいまだに、富と名声を獲得する夢を抱き続けていた。彼らはどんな苦境に立たされても、それを乗り越えようとする楽観さを持っている。なかば呆れながらも、彼らを見守り、支えてきた家族やファンたちの姿や、彼らから影響を受けたメタリカのラーズ・ウルリッヒ、モータヘッドのレミー、元ガンズ・アンド・ローゼスのスラッシュ、アンスラックスのスコット・イアン、スレイヤーのトム・アラヤらのインタビューを交え、30年間夢を諦めなかった男たちの友情と絆を描き出す。