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田舎からポッと出の女の子が、ソフト・イケメンの教師と、ややエラの張ったハード・イケメンの同級生との間で恋に悩むという話だが、正直言って、最初、彼女を助けたソフト・イケメンが顔を寄せたショットに、思わずゲッとなり、先行きが危ぶまれ、そのあとも、だいたい教師が生徒をチュンチュンなんて呼ぶかよ、と苛ついたのだが……。しかし、ヒロインのすずめに扮する永野芽郁の真正面からキリッと相手を見つめる眼にいつの間にか説得され、★一つオマケする気になったという次第。
物語の基本ラインは単純だが、リセットをはじめ、あれこれの超能力が出てくるから、その分、ややっこしくなる。原作を読んでいる人にとっては、先刻ご承知の話だから、手放しで楽しむことができるのだろうが、そうでないとアタマを捻りながら読み取ることになる。もっとも、それが、この先どうなるのか? という興味を引っ張ることになるから、前後篇にわけた作りは、一応、成功しているといえよう。ただ、超能力というのはアクションを欠くため、顔のアップに頼りがちになるのが弱い。
人気アプリの実写映画化が「日本初!」と謳っているが、そりゃそうだろう、普通は、そんなことしないからな。よっぽど、ネタに困っているのか? 猫は好きだし、最近はセラピーキャットもいて、認知症の人などに役立っているというから、こういう映画があってもいい。スランプに陥った小説家が、外猫たちによって癒やされるという話だが、なんで小説家なんだろう。ぶらぶらしていても大丈夫に見えるからか。ただ、猫たちがあまりに馴れ馴れしいのと、木村多江の色っぽさが気になる。
ブルーハーツの歌をテーマに、6人の監督が撮った短篇を束にした映画。出来に若干凸凹はあるものの、短篇ゆえにアラが気にならない。となると、皆さん、これからは短篇中心に作られては、如何でしょう! それじゃ商売にならない、と言われては仕方がないが、短くて済むのを無駄に長くしている映画が多すぎるからね。そんなのに対して、清水崇の「少年の詩」は、細部に何気ない工夫があって感心したし、李相日の「1001のバイオリン」は、彼の福島への想いが素直に胸に響いた。
極めて想像力を喚起するタイトルだが単なる説明になっちゃった。設定は略。要するに四角関係だね。当事者の一人山本舞香もキュートなのでお得感は高い。ただ男がいまいち魅力的に見えない。俳優のせいじゃなく物語が浅い。一方が女嫌いというのをもっと活かしてくれないと。もう片方が先生だから、生徒に手を出さないのは私の世代の感覚だと当たり前すぎて劇的葛藤がないのだ。先生だと分かる前に二人が知り合うというお話昔あったね。どろどろした部分がないのでそこは推薦したい。
ランドル・ギャレットのSF『魔術師が多すぎる』に触発された設定だろう。超能力者が数多く普通に存在している世界が舞台。これは青春ミステリーを前面に押し出し、健闘している。ミステリーと言っても謎解きじゃなく、様々な超能力を駆使して本来なら不可能なミッション(閉じ込められた魔女の救出)に挑む。その力のまとめ役が主人公。トリックが複雑すぎて一見しただけでは理解できないが、辻つまが合っていると思うしかないのだ。恋愛模様が効果的で、私は結構ハマりましたね。
主人公が作家である以上、その方面のことがきちんと描かれなくては星を上げられない。連載小説ってこんな風に書かれる気がしない。嘘でもいいが面白い嘘じゃなきゃ。ただし作家が打ち合わせ中ずっと寝てるというのが、あり得ないけどおかしい。猫の飼い方のマニュアルとして機能していないのも良くない。あの猫たちは正確には野良猫ではあり得ない。餌をもらってるんだから。最近はこういうのを地域ネコと言っている。だったらトイレもちゃんと設置したい。目の付け所はいいんだが。
私はブルーハーツのファンじゃないのだが、素晴らしい出来のオムニバスに感激。逆に彼らのコアなファンには物語が飛躍し過ぎてなじめないかも。メンバーが出るわけじゃないし、歌詞の意図的な曲解もあるからね。井口昇の時間旅行物は彼の中でも最高傑作ではないか。映画好きならではの妄想ファンタジーが炸裂し、舞香ちゃんのシザーハンドがいい。眠れる美女(しかもヌーディ)水原希子篇とか超バブリーな「懐かCM」が愉快な優香篇とか一本ごと細部に企画のこだわりが見て取れる。
永野の戸惑いと不機嫌が混じった様な表情を捉えた冒頭のアップが良い。恋愛至上主義を言い訳にした演出不在のキラキラ映画に食傷気味の身としては、新人女優の特徴を摑んで撮ろうとしているなと当たり前のことに喜んでしまう。両親不在の理由づけも、腹に一物のある女友達との関係も上手く処理されており、吉祥寺映画としても悪くない。ただし教師の三浦は顔が不味ければ淫行で逮捕されそうな行為の数々。永野が風貌も演技ものんに似ているが独自の魅力を出せるか今後の課題。
前後篇映画は続けて試写を観ることが筆者の場合は多いが、前篇のみを観たので後半は後篇に向けての予告的描写に費やされることもあり語りにくい。本気で作れば壮大な話だが、根幹となる世界観というか、ご都合主義な基本設定を冒頭からとうとうとナレーションで説明するだけなので辛い。リセットしても記憶が保持できるとかセーブしたというのも、小説では成立しても、台詞に頼って描かれるだけでは実感がない。室内は雰囲気が出ているが低予算SFの手法を活用すべきだったのでは。
庭に猫を集めるスマホアプリを映画にする発想が理解を超えているので実際に使ってみたが、これはハマる。もっとも映画は常識的な作りになっていたが。猫を映すだけでは能がないと、田舎の風景をはじめ撮影がしっかりしているので飽きることはなく、主人公の担当編集者の忽那も良いが、何度も田舎の仕事場にやって来て原稿用紙に印字したものを読むという古式ゆかしい編集者スタイルはどうなのか。データで持ち帰る描写もあるので彼女がここに来る別の動機を強調すべきだったのでは。
平均の星を算出してトータルの数とした。「夏の妹」を思わせるメロディも心地いい井口昇の「ラブレター」は暑苦しい映画への情熱をイケメンに醜男を演じさせて成立させ、唯一映画になってる。笑いが空転する「ハンマー」、亜流の和製SF「人にやさしく」、少年の衝動が設定以上に弾けない「少年の詩」、使用曲とは無縁に映像技巧に走る「ジョウネツノバラ」、問題提起しても描くべき中心の空洞ぶりが際立つ「1001のバイオリン」。オムニバスで160分というのはどうかしてる。